ごはんを食べた

忙しい人のための概要:とりとめのない話で,特に内容はないです.

某月某日,「参照透明な海を守る会」のxhl(リーダー)とmaster_q(岡部究さん)と集まって食事をした.

知らない人もいるかも知れないので書いておくと「参照透明な海を守る会」というのは2011年の夏に『簡約!λカ娘』を出して以来通算12冊(うち一冊は1~6の総集編)の同人誌をコミケで出してきたサークルのことだ.ついでに言うと「λカ娘」は「らむだかむすめ」と読む.
よくわからないタイトルだと思われるかもしれないが,この同人誌のタイトルやサークル名は元ネタである安部真弘氏の『侵略!イカ娘』という漫画(とそのアニメ)を踏まえている.

「同人誌をコミケで出してる」というと絵や漫画みたいな印象になるかもしれないが,うちのサークルではプログラミング関係の話題を扱っている——まあ大体は.そうはいいつつ,僕はHaskellに関連して圏論についての,初歩的ながらやや理屈っぽい方向の話を書いてきたし,機械学習の本を眺めたときに学部生以来久しぶりに出会ったから,という理由で「Lagrangeの未定乗数法」について書いてみたり,ついにはプログラミングとは無関係な超準解析の話まで書くようになってしまった.(プログラミング言語の理論に超準解析を使うという話をしている人も世の中にはいるけれど,僕はそっち方面には触れていない.)好き勝手をやらせてくれているリーダーのxhlには感謝するしかない.

もともと2010年頃にxhlが『イカ娘』アニメを見ているときに謎の電波を受信したことから始まったものであり,その経緯はtogetterにまとめられている:https://togetter.com/li/63957
正直,一発ネタもいいところという感じだが行動力の化身たるxhlの謎パワーによって11号まで続いているのだ.

とはいえ2011年からそれなりの年月がたち,書く意欲やネタや執筆時間が足りなくなりつつある.前回の11号ではそれまで皆勤賞だったmaster_qがついに欠席した.そんなわけで,食事をしながら「今後このサークルどうしようか?」というような話もした.

「集まって食事をした」などと書くと,頻繁に集まって「うぇーい」とかやってる印象になるかもしれない.しかし,そんなことはない.というか,われわれは普段Skypeのチャットでしか会話をしておらず,直接会うのはコミケ当日ぐらいしかない.なので直接会う機会というのは本当に少ない.そしてその数少ない機会についてのことだからわざわざこうして駄文を書いている次第だ.

どうでもいい前置きが長くなった.まあでもこの続きもどうでもいい話だったりする.

こうやって集まると,ついついnushio(村主崇行)のことを思い出す.彼のことは『すごいHaskellたのしく学ぼう!』の訳者の一人として(名前くらいは)知ってる人が多いと思う.彼の(本来の)専門は宇宙物理だが,僕は彼の研究に詳しくはない.彼は『λカ娘』の1,2,4,5,7,8巻にも記事を書いていて,各巻の扉に『まどか☆マギカ』の各話のセリフをもじった問答を入れるというアイデアもnushioのものだ.この扉の問答はnushioが2017年の夏に突然亡くなったあとも続いている.しかし次号12巻で『まどか☆マギカ』の最終話の話数に達してしまうので「(出すとしたら)12号で最後でもいいかなー」という感じが漂っている.つまり12号を出したら一度サークル活動を停止しようかということだ.いろいろな都合で夏は難しそうなので,2019年の冬に最終号を出そうかというのが今の雰囲気.

こんな事を書いていると,親友の思い出を語るみたいな雰囲気が出てくるが,さてどうだろう.そもそもの話だが,友達関係って「対称的二項関係」なんだろうか? つまり「A氏がB氏の友人であるとき,B氏もA氏の友人か?」という話だ.「そんなの当たり前じゃないか」というかもしれないが,周囲からみて「友人」であっても本人は友人と思ってないかもしれない.それとも友人かどうかは自分が判断するものではなく他人が判断するものなのだろうか.考えれば考えるほどこういう話はわからない.まあこれ以上考えるのも面倒だからnushioもxhlもmaster_qも,今回来れなかったark_golgoも「友達」ということにしておこう.

幼い頃の交友関係というのは,選り好みして友達になるというよりは環境によって押し付けられて,偶然のようにして与えられるところからスタートする.そういう意味では「よくわからない関係」だ.気取った言い方をすれば「超越的だ」ということだ.偶然のようにして友人になるというのは学生時代を過ぎるとだんだん難しくなる.仕事の上で誰かと仲良くなることはあるが,仕事というのは思ったより早くなくなる.そして仕事がなくなったら関係は切れてしまう.そういう意味では幼い頃の友達とは違う.そんなわけで「よくわからないけれどなんとなく仲良くやれる」関係というのを学生時代が終わったあとに作れたというのは貴重だと思っている.

うちのサークルでは各々好き勝手な事を書いているが,変なことにならないように&記事の質を高めるために査読がある.査読というと堅苦しいがそんなに形式張ったものではなく,互いの記事を読んで改善できそうなポイントを述べたりするだけだ.その制度があるせいで,サークルのメンバーは互いの記事を読んでいる,あるいは少なくとも読もうとはしている.サークル活動は義務ではないし(売れっ子サークルならともかく)儲かるものでもない.そんなわけで,「なんか書くかなー」ぐらいのノリでみんな記事を書いている.そのはずなのだけど「何を書いてもいいよ」と言われて本当に任意の話を書くことは難しく,各人の頭の片隅でなんとなく引っかかっていたりすることを書くことになる.だから結局の所「自分が本当に興味を持っていること」を書くことになりがちなのだ.

そんなわけで,だんだん互いの関心が少しずつ理解できるようになってくる.会う頻度がかなり低いにも関わらず,サークルメンバーとしての仲間意識が出てくるのもそのせいじゃないかと思ったりもする.xhlはラムダ計算やコンピュータ言語のパージングの話を書くことが多い.master_qは低レイヤーをどうやって「ちゃんと」抽象化するかみたいなことに関心があり,最近はATSでOSを書き直すプロジェクト(Metasepi)をコツコツやっている.ark_golgoはやはり囲碁の話が多い.tanakh は最近SMTに興味を持っているらしい.

とりあえず必要な話が終わると店を移動してまた話し始めた.アニメの話とか,SFの話とか.超消費電力有機チップが(バイオテクノロジーと融合して)製造されるようになって,脳の皮質の一部をそれで置き換えるようになるんだよねとか,ポスト・ヒューマンが栄えて現行人類は「旧人類保護区」で20世紀風の暮らしをしていてIQは80以下に抑えられてるとか愛玩動物としてブリードされていて黒人と白人のまだら模様みたいなものがエピジェネティック遺伝工学を利用して作られる,みたいなくだらない話を延々としてお開きになった.

何かの折にまた集まれたらいいなと思う.

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