cos(x)+sin(x√2)の「周期っぽい長さ」を作る方法

{f(x) := \cos(x)+\sin(\sqrt{2}x)}とすると,これは明らかに周期関数ではないが,「周期っぽい長さ」が存在する.ある{l_\varepsilon}{f(x)}の「{\varepsilon}精度で周期っぽい長さ」であるということを次の条件で定義しよう:

\displaystyle{\sup_{x\in\Bbb{R}}\lvert f(x) - f(x+l_\varepsilon) \rvert < \varepsilon.}

このような「周期っぽい長さ」を機械的に作ってみよう.{\cos(x)}は周期{2\pi}で,{\sin(\sqrt{2}x)}は周期{\sqrt{2}\pi}なので
{\cos(x+l_\varepsilon) \fallingdotseq \cos(x),}
{\sin(\sqrt{2}x + \sqrt{2}l_\varepsilon) \fallingdotseq \sin(\sqrt{2}x).}
であればよい.よって
{l_\varepsilon \fallingdotseq 0\enskip(\mod 2\pi),\enskip l_\varepsilon \fallingdotseq 0\enskip(\mod \sqrt{2}\pi).}
そこである{a,b\in\Bbb{Z}}があって
{l_\varepsilon \fallingdotseq 2a\pi \fallingdotseq \sqrt{2}b\pi}
となっていれば良いことになる.

補足:近似({\fallingdotseq})による「アバウトな」議論がうまく行く事は,{\cos(x)}{\sin(\sqrt{2}x)}{\Bbb{R}}上一様連続であることを使えばうまく説明できる.

このような整数{a,b}を上手く見つけるために{\Bbb{Z}[\sqrt{2}]}が積について閉じていることに注目する.また,{0 < \sqrt{2}-1 < 1}という不等式にも注目する.よく知られているように,絶対値が{1}より小さい数のべき乗はゼロに収束する.そこで例えば
{(\sqrt{2}-1)^{2n} = b_n - \sqrt{2}a_n}
としてやれば,{2a_n \fallingdotseq \sqrt{2}b_n}となるような整数{a_n,\,b_n}を作り出すことができるはずである.{(\sqrt{2}-1)^{2n}}の二項展開を利用して具体形を求めれば

\displaystyle{a_n = \sum_{k=1}^n \binom{2n}{2k-1}2^{k-1},}

\displaystyle{b_n = \sum_{k=1}^n \binom{2n}{2k} 2^k.}

となる.

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